1.採用できた苦み系慣用味名
2.苦み系慣用味名の特徴
採用できたのは2種であった。少ないようにみえるかもしれないが、苦味が典型的な不快な味とされていることからすると、むしろ採用されたことの方が注目される。
小カテゴリーはどちらもが「形容動詞型」であった。基本味系慣用味名は全部で16種のうち「形容動詞型」が11種といちばん多いので、その小カテゴリーが活用されたことになる。
苦みの上に付く形容動詞はどちらも具体性のない語となっている。ただし、「ほのかな」は甘み系と酸味系のどちらとも共通している。また、「独特の」も甘み系と共通している。つまり、基本味系慣用味名ではよく活用される形容動詞が苦み系慣用味名でも活用されたことになる。
物質的根拠のある基本味修飾味も探索している。甘み系慣用味名や酸味系慣用味名のページで紹介しているように、甘味や酸味には物質的根拠のある基本味修飾味が少数ながら見つかる。しかし、苦味では見つからなかった。特定の化学物質(たとえばキニーネ)が呈する苦味をじっくりと賞味する人はいないので、基本味修飾味としては成立しないのであろう。
3.判定方法などにおける特記事項
下に付く語は苦みの方が多いので苦みを採用しているが、苦味も活用されていることは甘味と同じである。この辺の事情は甘み系慣用味名のページで説明している。
(2025年7月作成)