1.コーヒーで採用された標準味用語
・採用できたコーヒーの標準味用語は24種であった。
・基本味のうち、うま味が採用されなかった。うま味だけでなく、規範味名の旨味も採用されなかった。ビールとワインも同様であり、これらの食品はいわゆる洋風食品である。
・特有味名が1種しか採用されなかった。なお、「食品名の味」タイプの特有味名は、5食品全て採用されている。
・特有味語に、「〜ような」を含む用語が6種もあった。このような用語は、他の食品には採用されていない。
・採用された特有味語には、長所を指摘する用語が多いといえる。
2.コーヒーでの採集できた味用語
・収集した資料は、異なり著者で33点(のべ44点)であった。なお、コーヒーでは英語の資料も含まれる。
・上の資料から採集できた日本語の味用語は、異なりで192種(のべ315種)であった。なお、英語の味用語は、異なり163種(のべ268種)であった。
・代表的資料に掲載されていた用語は20種であった。なお、このうち14種が標準味用語として採用された。
3.コーヒーの官能評価用語と標準味用語
コーヒーの官能評価で特徴的なのは、輸入企業の担当者によるカッピングである。バイングパワーが通用する場合は、優秀なカッパーによる創造的な味用語・香用語が自在に活用できる。したがって、標準味用語はあまり重要でない。ただし、近年は輸出国も納得できる公平な評価が求められている。このような場合は、官能評価用語を開示する必要があり、標準味用語が参考になる。
4.味の一覧表からみたコーヒーの標準味用語
味の一覧表に掲載されるのは、リストのうち基本味名、規範味名、慣用味名である。コーヒーの標準味用語のうち、味の一覧表に掲載されている味名は、12種である。逆にいうと、掲載されていない味用語すなわち、特有味名と特有味語は、12種であった。
5.調査方法の補足
<調査方法の共通事項は、本欄「取り組みの概要」のページにあります。>
代表的資料は、ISO 18794:2018 Coffee―Sensory analysis―Vocabularyである。
コーヒーでは、代表的資料を国際規格と採用したこともあり、一部英語の資料も採用した。日本語の資料とは別々に集計した後に、日本語資料の集計に統合した。
(2022年8月作成)