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味を表す普通の言葉である条件



1.味を表す言葉である条件

 味を表す普通の言葉である条件は、味を表す言葉である条件と普通の言葉である条件に分けて整理する。
先に、味を表す言葉である条件を取り上げると、この条件は、味を表す言葉が味名であって味語でないことがヒントになる。つまり、味名は、原則として味が下に付く用語である。したがって、これが味を表す言葉である条件の一つになる。

 ただし、味が下に付く用語であっても、全て味名かというとそうではない。たとえば、趣味や興味も味が下に付く用語であるけれども、ここでいう官能特性の味を意味しない。したがって、官能特性の味を意味するという条件も必要である。

 さらに、強い味のように味の強弱だけを表現している例、あるいは七味のように種類の数だけを表現している例、また、いろんな味のように具体性のない例もある。これらも味を表す言葉とはいえないので、味の特徴を表現しているという条件も必要である。

 つまり、味を表す言葉である条件には、@味が下に付く用語である、A官能特性の味を意味している、B味の特徴を表現していることの3つがある。
    
2.普通の言葉である条件
 次に、普通の言葉の条件である。普通の言葉はよくわかっていて、普通の言葉をまとめた資料は沢山あるように思える。しかし、実際にはない。敢えていうと、大型の国語辞書が該当するかもしれない。ところが、広辞苑などの国語辞書をみると、古典とか明治の文豪あるいは中国の古典が重視されていて、普通の言葉のリストとは言い難い。

 普通の言葉は、「普通の言葉とは」の項で説明したように、学術用語や専門用語でなく日常用語である。そうすると、普通の言葉の条件は、学術用語や専門用語でないということになるが、これはわざわざ条件に挙げる必要もないであろう。

 むしろ、普通の言葉が一般の人に広く使用されている言葉であることが重要である。一般の人に広く使用されている言葉とは、具体的には使用頻度の高い言葉となる。したがって、使用頻度の高いことが条件になる。

(2022年1月作成)