心理学分野における認知の意味は、認知過程における3つの過程である感覚・知覚・認知の総称の場合と、このうちの認知だけの場合がある。しかしながら、本サイトでは、認知は認知だけを意味させ、3つの過程の総称は認識と呼ぶ。
このように使い分けるのは、認知が二つの近似し且つ異なる意味を持つと、紛らわしいからである。たとえば、甘味の感覚を甘味の認知(総称)と呼びたくなることもある。そうすると甘味が認知されるように聞こえてしまうのである。心理学を専門に研究している者にとっては不都合がないようであるが、専門外で必要に応じて使用するだけ者にとっては、混乱を招く理解である。上の場合も、甘味の認識と表現すれば誤解がない。
認知と認識の意味については、明確な違いはない。認知は心理学用語、認識は哲学用語として区別されているにすぎない。少なくとも、誤解を招くデメリットに比べ、その違いは小さい。
(2019年12月作成:2020年5月標題変更)