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味わい系慣用味名


1.採用できた味わい系慣用味名


2.味わい系慣用味名の特徴
 味わい系慣用味名として採用できたのは11種であった。多い数字ではないが、実は味わい系慣用味名が見つかったことは、予期しない結果であった。味わいは古い言葉であるが、専門家が使用することはほとんどない。味わい系慣用味名が採用されたのは、味わいが日常用語としては案外使用頻度の高いことを示している。
 採用された11種のうち、いちばん多いのは「形容動詞型」の7種で、「形容詞型」と「オノマトペ型」がそれぞれ2種であった。「形容動詞型」の多いことが指摘できる。
 (一般的な)慣用味名と比較すると、味わい系慣用味名では中カテゴリー「形容表現味」に属する小カテゴリーに偏っている。しかも、上に付く形容語は他との重複が多く、独特の語といえるのは「豊かな」だけである。なお、この「豊かな」も慣用匂い名とは重複している。一方で「オノマトペ型」の2種は特徴的である。(一般的な)慣用味名では「さっぱり」と「すっきり」が上に付く語となっているが、味わい系の場合は「さっぱりした」や「すっきりした」と「した」が付加されている。
 風味系慣用味名と比較すると、風味系慣用味名では「食品名連結型」がいちばん多いのに対し、味わい系慣用味名は全く採用されない。味わい系と風味系の用法の違いは明確である。その一方で、風味系慣用味名のページでも説明したように、「形容動詞型」の7種のうち、4種が共通している。風味型慣用味名からみえれば、採用された5種のうち4種までもが重複していた。ただし、「オノマトペ型」は味わい系慣用味名のみで採用された。

3.判定方法などにおける特記事項
 特に記載が必要な事項はない。風味系と同じように偽ヒットが少ないので検索が容易である。

(2025年9月作成)