「基本味の好ましさに関するアンケート調査」における予期しない結果として、表のように、ご飯に対し48.6%もの調査対象者がうま味を感じるとの回答があった。ご飯のうま味の感知率は18食品のうち上から7番目で必ずしも高くはないのであるが、上位の6食品はグルタミン酸やイノシン酸の含有量でうま味を説明できる食品が並んでいる。そして下位にもお茶やとまとなどうま味物質が存在することが知られている食品がある。
この結果は、筆者の常識とは異なっていた。また、米分野の専門家の常識とも異なっている。本当にご飯にうま味を感じる人が多いのであれば、我々の知らない何か潜んでいるはずである。 また、ご飯のうま味は感知率が高いだけでなく、その嗜好指数が18食品の中でいちばん高かった
。
このアンケート調査は、農研機構食品総合研究所の日下部裕子ユニット長・河合崇行主任研究員と共同で実施したものだったので、この結果について議論した。そこでは、ご飯のグルタミン酸含有量は閾値よりはるかに低いのでうま味とは考えられないが、うまみなら考えられるという結論になった。
(2020年4月作成)